天上のヴィーナス 天王星と海王星 降りていく生き方と蓼科の白樺

この記事は、2012年10月12日にブログにUPした記事の内容です。

 

by高橋ともえ(ガブリエラ)

 

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9月30日の満月の日、本来であればヒルデガルディアーナのハーブ講座を予定していましたが、
2週間前に急遽予定変更をして、えみさんに個人ワークを頼んでいました。

で、当然お話の中で、ヒルデガルディアーナのことも出てくるわけです。
ワークの最後に、
ヒルデガルディアーナに対しての天の意志というテーマでカードを引いたのですが、
そのカード、一見するとネガティブそうなメッセージのものでした。

そのカードは、一言で言うと
「降りていく生き方」
のカードだったわけです。

良く分からなかったので、2枚目のカードを引くと、
それは、虹の下で幸せな家族(父、母、子)がおうちを見ているというシーンのカード。

ええ~~と思った私に対して、えみさんがさらにチャネルしてくれたところによると、
そのメッセージ源は、天王星と海王星だったそうでした。

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天王星も海王星も、それぞれ、ある意味では既存の枠組みにはおさまらないというエネルギーなんです。

天王星は革命の星とか天才性を司るエネルギー。海王星はキリスト的な犠牲者、被害者、隠遁者のエネルギー。

前者は既存の枠組みを壊していこうとして格闘するし、後者は既存の枠組みの中で底辺やマージナルな領域に追いやられ苦しむ。

ちなみに、現代占星術のごくオーソドックスな読み方でいうと、
天王星は水瓶座のルーラー、海王星は魚座のルーラーとなります。

ところで、私は天王星と海王星と言われてすぐにぴんと来たのが、
ヴィーナスの誕生の神話でした。

ヴィーナスの誕生、有名なボッティチェリの絵がありますね。
その神話によると、
ヴィーナスは、自分の息子クロノスによって切り落とされたウラヌスの男根が海の中に落ちその泡の中から生まれるもの
とされています。
ちょっとグロテスクですが、天王星と海王星の関係性(および土星)の関連を見ていく上ではこれは示唆に富んでいる神話。


クロノス=土星、ウラヌス=天王星。そして海=海王星と解釈できます。
で、ほかならぬクロノス=土星というのは、既存の枠組みを設定するものなんです。
ある意味でそうした制限と格闘する者の痛みが、切り落とされたウラヌス=天王星の男根です。
そしてその傷ついた男性性を受容し愛(ヴィーナス)に変換するのが海=海王星。

一説では天王星=プロメテウスのアーキタイプであるとも言われています(※Richard TarnasのPrometheus the Awakenerを参照)。
プロメテウスとは「先に考える者」という意味。
世間が注目していないものを考える発明者、先駆者、パイオニアのエネルギーを体現する天才性と関連しています。
で、プロメテウスというのは、神々から火を盗んで人間に与えるという貢献をするのですが、
プロメテウス自身はゼウスの罰を受けて永遠に苦しむ運命を受けたといわれています。
プロメテウスの神話にはパイオニアや天才が背負う孤独や理解されない苦しみが象徴されているように思います。


ちなみにウラヌスはガイアにものすごい暴力をふるっていたために息子に殺されてしまうわけですが、
これを象徴的に読むなら、天王星的な外宇宙のエネルギーをガイア=地球にもたらすということはある意味では危険であり、地上的なものや地球の拒絶や抵抗に遭うことなのです。
それゆえに天王星のある部分は、クロノス=土星=カルマ的には狩り取られるべき運命のものでもあるともいえます。

天王星というのは、土星的な過去を否定し、後続の時代や人に新しい道を用意するという役割があるので、
どうしても痛みを伴い、また、役目が終わると狩り取られたり淘汰される運命にありがちです。

でも、そうなってしまった傷ついた天王星のエネルギーは決して無駄なのではなく、
最終的にはすべてを受容する海王星の海=羊水の中で癒されて、
そこから天上の愛としてのヴィーナス=金星となるのです。

* * *

プラトンは、金星=ヴィーナス=愛には2種類があるといっています。
ひとつは、天王星の男根が海に落ち泡から生まれた天上のヴィーナス=Venus Urania
もう一つは、ゼウス=木星と古い大地母神的な女神の性的な結合によって生まれた地上のヴィーナス=Venus Popularia/Pandemos

イメージで分かりやすく説明すると、新プラトン主義の影響を強く受けたルネサンスの画家、サンドロ・ボッティチェリの例の2枚の絵がいいかもしれません。

(上の2枚の絵のうち、左側が『ヴィーナスの誕生』右側が『プリマヴェーラ(春)』です。

この2枚の絵は解釈が難しくって、諸説あるのです。
特に下のプリマヴェーラに関しては、まあ、とにかく登場人物も多いし、
寓意を理解していくのが超難しい・・・。

結論的には、天上のヴィーナスと地上のヴィーナス、どちらも大切というか、
この2枚の絵は明らかに循環というか関連があります。
(別記事で私が引いたもう一枚のカード、地のカードの話も書きたいと思いますが。
その地のカードの話のところで地上のヴィーナスの話にも触れるつもりです)

* * *

さて、私が蓼科の好きなところの一つが、美しい白樺なのです。

白樺って、高原=天に近いところに生えますよね。
私は蓼科に行って随所に見られるこの白樺が、まるで天国のような光を周囲に投げかけているのが好きです。

さて、この白い木肌の美しさ、ボッティチェリの中のヴィーナスの白い肌のようですね。

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この本の中で白樺は、金星の働きを最もよくあらわす木であるとされています。

ここでいう金星は、上記の天上の愛(ヴィーナス)的な金星の方でしょう。

なぜなら、白樺の説明を読むと、白樺は木星の影響をあまり受けていない/木星の作用が抑制されている上に、大地の影響があまりないと書かれていうからです。

 
地上のヴィーナスが木星と大地(土)から生まれるのに対して、白樺が示す特性は、その両方の作用が弱まっているのです:

「一般に植物は太陽と地球の両方の作用を受けて育ちます。
多くの草花が一年のリズム、つまり太陽のリズムで生きているのはその現れです。
そんななかで樹木は一年で終わることなく長歳月に渡って成長を続けていきます。
それは太陽系をいわば外部の広大な恒星の世界に結びつける、外惑星といわれる火星や木星、土星の働きですが、
中心的な役割を担っているのが木星です。
・・・木星は樹木をより永続的な世界に連れ出し、堅牢な木部と大きな樹冠を形成する作用を送っています。

白樺も広葉樹の一員として木星の作用のもとにありますが、さらに金星の作用が加わります。
その結果、・・・木星の作用が弱められ、堰きとめられます。


白樺のほっそりとした姿、柔軟で、余り硬化しない木部、新芽の硬化の抑制、不十分な枝の形成、
周辺に向けて絶えず細くなり、ついには周辺に向けて溶解していくこと、
これらすべて金星を通して木星の作用が堰きとめられていることの証に他なりません。


白樺は、痩せた砂地の土地にも、酸性の荒地にも育ちます。
それは荒地に最初に進出する樹木と言われています。
あまり大地に依存していないのです。」

 
大地の影響の薄い白樺は、その代わりに水と空気の影響を受けています。


「金星=ヴィーナスは古来、美と若さと愛の女神として描かれてきました。
神話によると、ヴィーナスは「海の泡」から生まれ、海の神=オケアノスによって上空に持ち上げられ、
風によってやさしく迎え入れられたと言われています。


この神話は、ヴィーナスが水と空気に親密に関わっていることを物語っています。


水と空気・・・それは、海王星の水と天王星の風(空気)ではないでしょうか。
海王星が司る魚座は水のエレメントであり、天王星が司る水瓶座は風のエレメントです。

 


「白樺の若葉や樹液は若返りの効果でよく知られています。それは、・・・水分の循環を促進させるのです。
それは白樺が大地の水の循環に寄与するのと全く同じです。


また一般に、抗鬱作用や、硬化と脆さをもつ傾向のある人たちを柔軟にする効果をもち、
関節炎やリューマチに効くとされています。総じて言えば、「若返り」の作用があると言えるのです。
まさに白樺が不毛の地を光溢れる地に変えていくのと同じ作用です。


金星は人体の中では、とりわけ腎臓を支配していると言われています。
腎臓の固有の機能は・・・老廃物の除去ですが、それだけではありません。
腎臓はその中を大量の酸素に富んだ動脈血が貫流し、そのことを通して、いわば内的な呼吸と関わっています。
つまり腎臓は人間における「空気エレメント」の調整機能も持っているのです。


・・・感情と強く結びついた呼吸に腎臓は内的に関わっているのです。
腎臓は、無意識に留まってはいますが、心の営みと深く関わっています。
沈黙する器官として感情生活と気質、言いかえると、私たちの「気」分に影響を与えているのです。
このように腎臓は空気エレメントと密接に関わっています・・・」

 


そして、白樺の姿や身振りが示すのは、自らを他者に捧げるという高次の愛の形です。


「ヴィーナスの最も重要な性格は、受容の能力といえるでしょう。
それはいいかえると、自らを他のものに対して捧げる献身の力です。


金星の太陽との密接な関わりを通して、白樺の中に太陽との内的関連を示す形姿が現れます。
そのひとつが幹です。木星が強く影響する樹冠は余り形成されませんが、
太陽の諸力と結びついた幹は良好に形成されます。


金星と太陽のリズムには美しい比例関係がありました。
その関係は、とくに白い樹皮の中にあらわれています。
その柔らかな周辺に向けて非常に開かれた小枝とともに、
白い樹皮は明るい外観を白樺に与えています。


ほとんどの樹木は、幹では生命が徐々に退いていき、外側から剥げ落ちていきます。
それに対して白樺は、この死のプロセスが抑制されています。
こうして、コルク形成を通して薄い外皮の層が生じます。その層は幹を覆います。
その多いの白い色を通して光の輝きが見えるようになります。


それは、金星がその濃密な雲の覆いによって太陽光を反射させ、
非常に明るく輝いているのと似ています。


外皮は長持ちし、昔からその性質を使って、様々な容器のための材料として用いられてきました。
まさに物を受容する「容器」の材料として用いられてきたのです。
金星の第一の特質である受容力がまさにその力を発揮するのです。


そして、白樺は先駆者として地上に長くとどまることなく後続のものに席を譲る運命にあります。


「金星の持つ軽やかさによって白樺は素早く成長しますが、それほど長生きしません。
非常に頑強で耐久性を持つ長寿なオークとは反対に、八十年から百年がやっとで、
ふつう二十年くらいで最盛期を迎えます。


そうして不毛の地を他の樹木が育つような土地に変えていき、
自らは退いて他の木々に席を譲るのです。
まさに風のように来て、風のように去っていきます。」


白樺が教えてくれるのは、
天王星的な開拓者・先駆者としての役割も、
海王星的なすべてを受け容れる受容性も、
実はどちらも、「自らを他者に捧げる」という高次元の愛に基づいており、
その意味では金星の質を持っているということです。

* * *


ところで、一般に海王星は金星のハイオクターブであると言われていますが、
実は天王星が金星のハイオクターブであるという説もあることはあまり知られていません。

(これは、Max Heindelという薔薇十字系の占星術師の言説です)
(そして、実は天王星が水星のハイオクターブであるという説と、海王星が水星のハイオクターブであるという説もあるのです。
この点についてはまた後日。)

私は、この説に関しては、どちらかが間違っているということではなく、どちらもその可能性を秘めているのだと思います。


それは、上述したような白樺の身振り・・・天王星的な開拓者・先駆者としての役割と、
海王星的なきわめて受容的な性質とを見れば分かります。
金星の質は天王星的な部分と海王星的な部分があわさっているのです。


そして、理論的にというか、
惑星の周波数を比較すると、海王星と天王星は互いに深い関係性をもっていることからも、
このことは確認できると思います。


1970年代に惑星の周波数を出したスイス人のHans Coustoは、
海王星についてこのように語っています。


「海王星は約164年の公転周期を有しています。これは、天王星の公転周期のちょうど約2倍です。
ハーモニクスの関係性で見るならば、天王星の一段深いオクターブが海王星であると言えます。


つまり、海王星と天王星同士もハーモニクス的に深く関係しているわけなので、
海王星が金星と関わりがあるなら、天王星にもその関わりは継承されるだろうし、
天王星が水星と関わりがあるなら、海王星にもその関わりは継承されるだろうと考えられるからです。

天王星と海王星は実はお互いに支え合っているとも言えるわけです。
天王星の背後に海王星があり、お互いに助け合っているのです。

* * *

それで話を戻して、天のメッセージとしてのカード。
降りていく生き方のカードと、虹の下の幸せな家族と家のカード。
これは、それぞれ天王星と海王星なんではないかと、私は解釈しています。
(それぞれソードの5とワンドの4ですが)
天王星の傷は海王星に受容されたとき、天上的な愛になるわけです。

天王星的な革命は、ある意味では必ず失敗します。
なぜなら、革命のエネルギーは激烈すぎるので、地上に根づくのは20%とかそれ以下だから。
でも、もし最初から20%だけでいいやと思ったら20%も根づかないんです。
だから100%信じて100%の思いでやらなければならない。
だから、100%の実現を成功と考えるならすべての革命(新しい試み)は失敗になります。

海王星が天王星を支えられるとしたら、それは、失敗の要素がなければ成功もないという逆説を教えることです。
そういう意味では、すべては土台となり必然であり何かが消えてなくなるものはないよと教えて癒してあげるのが、
海王星の役割でもあるわけです。
それはちょうど、すべてが流れ込み、最も汚いものであるはずの海が、すべてを浄化することができるように。

海王星のエネルギーは、虹、すべての色彩、ワンネスの象徴です。
虹としての色彩は、ゲーテが言うように、光と闇のちょうど真ん中にあらわれます。
光だけでも闇だけでもなく。その2つが出会うところに。